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2018/06/20 13:41

現在開催中の「親鸞文学全集」新巻刊行フェア(6/23まで)に合わせて、各巻のあらすじやポイントをご紹介をしていきます。
本日は親鸞文学全集の「第7巻『戯曲 人間親鸞』(石丸梧平)『戯曲 親鸞』(茅場道隆)のご紹介です!




「いかに生きるべきか」を描き、大正期親鸞ブームの代表作となった大ベストセラー小説『人間親鸞』を石丸梧平が戯曲で再表現。

また、人吉の僧侶、茅場道隆が推敲三年を経て描いた、力強く教えに向う親鸞の姿。


【本書のあらすじ】

『戯曲 人間親鸞』(石丸梧平)

範宴(親鸞)が修行を積む比叡山では、規則に反し僧侶同士や茶屋女との恋愛が密かに行われていた。ある日、親友の法善はこの行いがばれて比叡山から追放されてしまう。


『戯曲 親鸞』(茅場道隆)

「もったいぶって経を読んで――それが何になるんだ」。比叡山での修行生活に疑問を抱いた範宴(親鸞)。自暴自棄とも思える行動をする範宴に法師達が批判を寄せる。


*解説は本書監修者の大澤絢子氏(龍谷大学世界仏教文化研究センター博士研究員)。


【★ココがポイント★】

大正期親鸞ブームの代表作というべき大ベストセラー小説『人間親鸞』を戯曲化。東京の有楽座にて、丹青座の旗揚げ公演として上演されたことからも、注目された作品だったことがうかがえます。

戯曲作品はセリフのみで構成され物語が進んでいくので、さらりと読めてしまうところがうれしいところ。本作は悩める青年期の親鸞にスポットをあてた内容で、悩み苦しんで吐き出されるセリフの数々に胸をうたれます。本全集の第一巻の小説版『人間親鸞』と第二巻の『受難の親鸞』を合わせて読んでいただければ、より石丸が描きたかった親鸞像が見えてくると思います。ぜひ合わせて読んでいただきたい作品です。

また、同巻収録の茅場道隆『戯曲 親鸞』は、推敲三年を経て描かれたと言われている作品で、青年期から晩年までを描いています。石丸と同じく悩む親鸞を描いていますが、荒々しくも感じられる青年親鸞の行いが、その分さらに苦しい心の叫びとなって胸に迫ってくる作品です。戯曲作品ならでは、名セリフがいたるところに散りばめられているところにも注目です。

実は、茅場道隆の書籍は全国の図書館を探してもわずかな冊数しか所蔵されておらず、作者自身についても全く情報がない状態でした。今回刊行にあたり調査をし、監修の龍谷大学の大澤先生のご尽力により熊本県林照寺の元ご住職であったことがわかりました。現地取材を行い、茅場が書いた書や絵、そして人物像なども解説で紹介しています。本全集でしか読めない内容です。ぜひ読んでいただきたいおすすめの一冊です。


【著者紹介】

・石丸梧平(18861969)大阪府豊中市生まれ。作家。『人間親鸞』が大ベストセラーとなり流行作家となる。その後個人雑誌『人間創造』を長期に渡り刊行。

・茅場道隆(19001952)人吉市生まれ。僧侶。本全集で初めてその存在が確認された。



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 URL:https://dohosha.thebase.in/items/9776993

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