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2018/06/12 18:13

現在開催中の「親鸞文学全集」新巻刊行フェア(6/23まで)に合わせて、各巻のあらすじやポイントをご紹介をしていきます。

今回は親鸞文学全集の「第1巻『人間親鸞』(石丸梧平)」のご紹介です。



断ち切れない煩悩。逃れられない生死の苦しみー。

自己を見つめ、自問を繰り返す親鸞を、大正期の青年たちが敬慕していた石丸梧平が描く、

大正親鸞ブームの代表作。


【本書のあらすじ】

比叡山きっての秀才といわれ、立身栄達が理想とされる中で、修行に励む青年僧、範宴。しかし八瀬に住む女性に心惹かれ、会いたい気持ちが抑えられない。そんな中、師の慈円僧正が「恋」という題で詠んだ歌がきっかけで流罪になろうとしていた。欲望と戒律の間で葛藤した先に親鸞が見出したものとは。「人生創造」を提唱し、いかに生きるかを追求し続けた石丸の出世作。

*解説は本書監修者の大澤絢子氏(龍谷大学世界仏教文化研究センター博士研究員)。


【★ココがポイント★】

親鸞ブームを語る時、これを読まずして語ることなかれ、というくらいに大正当時、大ベストセラーとなった本作。作者の石丸は現在ではあまり知られていない作家ですが、人生について悩みを抱えた大正時代の若者たちに多大なる影響を与えた人物です。「生きるとは?」という難題を、若き親鸞の姿を通して描いた本作は、そうした悩める若者の心を捉えたのかもしれません。

序文(自序)に作者の人生哲学や創作意図などが書かれていますが、まずはとばして小説部分から読むことをおすすめします。豊富な会話で物語が構成されているので、とても読みやすい作品です。

比叡山での修行を行うも煩悩が捨てきれず、もがき苦しむ日々を経て、比叡山を離れる決意をするところまでの親鸞の心の動きを丁寧に描いている作品です。

石丸については、石丸主宰の雑誌『団欒』に当時まだ中学生だった川端康成の文章が掲載されていることが近年明らかとなり、近代文学界からも石丸の位置づけが注目されつつあります。


【著者紹介】

石丸梧平(1886-1969) 大阪府豊中市生まれ。作家。『人間親鸞』が大ベストセラーとなり流行作家となる。その後個人雑誌『人間創造』を長期に渡り刊行。

親鸞文学全集【第1巻・人間親鸞】(石丸梧平)



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